2020年1月20日月曜日

🔻週末Edge(Chromium)正式版を利用して分かった事

今週末2日間新しいEdgeを利用する時間が多く少しずつ全貌が見えてきたので判明した範囲で端的にご紹介できればと思います。

まず前置きとしてEdgeがChromiumオープンソースプロジェクトの一員になり、Chorme、Vivaldi、Opera等のブラウザと基本的にエンジン構造を同一のBlinkとしている事があります。その顕著な一例として現在最大のシェアを持っているChromeウェブストアのアドオン(拡張)が一部の例外を除いてほぼ利用できることが挙げられます。また細かい違いはあるもののユーザーインターフェースも似通っており(Vivaldiは異端ですが)、ブラウザを乗り換えるに当たりあまり大きな障壁はありません。

EdgeはMicrosoft社の製品ですのでWindowsやOfficeで言えば現在もユーザー数は膨大です。Microsoft Edge AddonsBETAにも既に多くのアドオンが公開されていますが現在圧倒的シェアを誇るChomeのアドオン数と比べるとまだ貧弱と言わざるを得ない状況です。Edge(Chromium)のシェアがかなり増えれば比例して純正アドオンも急速に増加すると思いますが、シェアを取れなければ細々とChromeのアドオンを使いながらブラウザのシェアも横ばい、と言った状況も予想されます。

ただし自分が思うのは今回のEdgeは相当Microsoftの本気度が見えかくれします。PC用はもちろんiOS版、iPadOS版、Android版と同時にリリースされた各プラットフォーム版を試しましたがいずれも満足度は高く既に入念な準備をしてかなり作りこんであると感じました。現在VivaldiはモバイルにAndroid版を先行してリリースしていますが現時点ではiOS版がいつ頃になるのかは不明です。2020年と言う今、デスクトップブラウザとモバイルブラウザが同期できないと言うのは個人的利用、ビジネス利用の観点から言うと結構重要度が高いのではないと思います。その点、今回Edgeがこのタイミングで全プラットフォームを揃えてリリースした事には大きな意味があるのではないかと思います。デスクトップ版Edgeには通常版とは別にビジネス版も公式にリリースしている事からもその重要度が分かります。未だにWindowsにビジネス利用が多い事とAppleのmac OSとMacが台頭してきている昨今その辺はMicrosoft社も十分その重要性を理解しているのでしょう。今回のEdge再生プロジェクトには相当お金をつぎ込んでいるのではないでしょうか。

閑話休題。能書きはこの辺にしてVivaldiとEdgeの比較の話をしていきたいと思います。本来であれば最大シェアを誇るChromeとぶつけ合うのが本筋なのかもしれませんが、Operaの創業者ヨン・テッツナー氏らが開発したOpera ver.6 時代からのブラウザをかなりの年月お付き合いさせてもらっている関係で数年前に枝分かれしたVivaldi(エンジンはChromium/Blink)を初代から使っているせいでChormeとEdgeで比較しようとすると相当の労力と時間が必要でほぼ不可能に近い事からChromium派生ブラウザであるVivaldiとの比較になります。基本描画エンジンは同じなのでChromeとVivaldiではそう大きな相違はないと思います。

※両ブラウザの有効アドオン数は(9)で同一
左から Vivaldi 4.4GB › Edge 4.3GB › ブラウザ起動無し 2.8GB
※両ブラウザ同一条件 ※ブラウザのみの使用量ではありません
意外なのか妥当なのか分かりませんが両ブラウザの間でRAM使用量はほぼ差は無い結果となりました。比較条件はできる限り同等にしています。両ブラウザともコールドスタート、データ(一時キャッシュ,Cookie,履歴,その他のデータ)は事前に完全にゼロにしてからメモリ利用量を測定。使っているアドオンもほぼ同じものです。

起動速度やブラウジング、操作等の体感速度もほぼ変わりないと感じました。インストールしているドライブがSSDかHDDかで違いが出てくるかもしれませんが今回のテストではSSDなのでより違いが分かりにくいのかもしれません。ここ数年PCの機敏度はSSDがすべて相殺している気がします。最近は大容量も安くなりましたし良い時代です。

OSのスタートアップで何かしら援助的にEdgeを補助しているのかとも思ったのですが、設定に補助的なものは「Edgeが終了してもバックグラウンドで動作する」にチェックが入っているだけでコールドスタートでは現時点では何も援護策は無いのかもしれませんが正直詳細は不明です。この辺はVivaldiも同じでバックグラウンドで動作しておりスタートアップで何かしている訳ではないので同条件とみなしていいと思われます。

Vivaldi自体が良い意味で変態ブラウザなので使い勝手ではEdgeとはかなり差があります。Vivaldiの設計思想は「Vivaldi単体で何でも出来る事」と言うPlesto Opera時代から引き継がれた確固たる意志を感じます。例えば代表的なもので言えばマウスジェスチャーやキーボードショートカット、UIや検索エンジンのカスタマイズ、とっても便利なWebパネル(サイドパネルにモバイルページを同時表示できる機能)、多機能メモ、様々な取り込みが可能なスクリーンショットキャプチャ、これぞ「The Hentai」なタブ周りの徹底的な異様なまでのカスタマイズと機能などなど。これだけのものがアドオンなしであらかじめ使えるのですから、プレーンなEdgeやChromeと使い勝手で比較できようがありません。

シンプルでプレーンなブラウザも気軽に使えて変なトラブルに出会う確率も少ないですしそれはそれで魅力的なのは承知していますが、余計なアドオンなしでブラウザを単体でインストールするだけで色々便利な機能を利用できるメリットも大きいものです。この辺は人それぞれですね。人によって使い方は違いますし方向性の違いもあるでしょう。

..と前置きが長くなりましたが、Chomeを既に使用しているユーザであればEdge(Chromium)にすんなり移行できると思います。先日の記事で書いた通りChromeからEdgeへのデータインポートは簡単ですし設定メニューもよく似ています。ただし設定画面自体はかなり違いがありますが分かりやすいのはEdgeの方だと思いました。

あと違和感を感じるのはタブの扱い。何があっても Ctrl+W でブラウザ自体が閉じない(ここ重要)のがOperaプレストとVivaldiなのですが、ラストタブでこのショートカット使うとChromeもこのNew EdgeもFirefox等軒並みブラウザ自体が閉じちゃうんですよね。Edgeに至ってはピン留めしているタブでさえ Ctrl+W で普通にタブ落ちします。自分はほとんどのブラウザでマウスホイールの中クリックに Ctrl+W を割り当てて使っているのですがEdgeでピン留めタブが閉じられた瞬間は思わず「えぇっ!」と本当に声が出ました。なんなんだこの仕様は.. と。まだリリース直後ですし色々不足な点はあると思いますが他の完成度が高いだけに驚いた次第です。

Edgeのタブ、アドレス回りのデザインはとても良いと思います。ほんの少しの角丸で柔らかいイメージです。それと右クリックメニューや設定等のフォントやその大きさ、ピクトグラムアイコン等かっちりしててデザインに高級感があります。特にダークテーマの時に全体的にとてもいいデザインだと感じました。iOS版のEdgeと統一感があり同期もアメージングでスマホでもEdgeを使いたい理由になり得ると思います。スマホアプリも良く出来ていてiOS既定のSafariにも引けを取りません。このままEdgeをPCのデフォルトブラウザで利用していて、もしiPhoneの既定ブラウザ変更できるのであれば迷わずEdgeに変更していると思います。昔のXP時代、既定ブラウザ戦争が裁判にまでなり変更できるようになりましたがiPhoneではこういう話をあまり聞きません。そろそろ話しが大きくなってもいい頃だと思いますが。
iOSアプリ版 Edge(Chromium)
PC、iOS、iPadOS版のEdge(Chromium)の作りこみ具合を総合的に見てみると、やはり現在のマイクロソフトの中でもかなり重要度の高いプロジェクトであろうと思いました。iOS版はぬるぬる動きますし同期速度もはやいです。iOS版Safari、もしくはごく少数のモバイルブラウザにしか与えられていなかったコンテンツブロッカーをブラウザ自体に埋め込んであります。
Adblock Plus 同梱
自分の勝手な予測では、このままEdgeのアップデートが順調に進んでいくのあればシェアも比例して急速拡大していくのではなかと感じています。数年前のようなWindows版IEのようにはいかないかもしれませんが、それでもMicrosoftは大幅にブラウザシェアの復権を望めるスタートアップに立てたのかもしれません。2020年はChrome Vs. Edge (Vivaldiも思い出してね)の面白い争いが見られるかも。

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